当科の概要
平成12年度より、精神科単科の岩手県立北陽病院が旧岩手県立一戸病院と合併し、当科となりました。当院は精神保健福祉法に基づく応急指定病院に指定されているほか、平成15 年7月に制定された心神喪失者等医療観察法に基づく指定通院医療機関に指定されており、当科が地域の精神科医療に担う役割は大変大きなものとなっています。
活動としては、外来、病棟診療のほか、近隣市町村の精神保健相談等の地域精神保健活動、知的障害者の福祉施設「カナンの園」や援護施設「中山の園」での診療、岩手県立二戸病院、岩手県立軽米病院での診療応援を行うほか、東日本大震災関連では「宮古地域心のケアセンター」に月1回、医師を派遣しています。このほか司法鑑定、医療観察法に係る鑑定を依頼されることもあり、適宜精神鑑定を行っています。
また、岩手医科大学附属病院、岩手県立中央病院、岩手県立二戸病院の協力型臨床研修病院となっており、毎月1~3名の臨床研修医を受け入れ、精神科臨床の研修を受けてもらっています。精神科専門医制度研修医の指導医の資格を有する医師もいますので、精神科専門医の取得も可能です。
診療指針
当科では診療指針として以下のことを定めています。
一戸病院精神科診療指針(概要)
1.精神科医師の役割
- 医師は、精神科の外来診療についてはすべての患者の診療を行い、入院診療については基本的に主治医、担当医が患者の診療をおこなう。
- 主治医は、他医師のみならず、薬剤師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、臨床心理士、栄養士等、多職種との連携のうえで診療をおこなう。また、多職種の参加による検討会をおこなう。
- 医師は、精神科臨床研修医の教育と訓練をおこなう。研修医は主治医の指示と指揮の下で、科長が許可した診療内容の範囲内で診療する。研修医の診療の責任は、科長と主治医が負う。
- 精神保健指定医の指定を受けている医師、および精神科特定医師は、診療に関わる範囲内において必要であれば、それぞれが精神保健福祉法に規定されるところの検査、診察等の職務をおこなう。
2.診察・処置
- 医師は、新患当番日、再来当番日それぞれの精神科外来診療をおこなう。
- 原則として、精神科入院患者の回診を毎日おこなう。休日は、日直にあたった医師が回診をおこなう。
3.救急対応
- 精神科救急の適応と考えられる患者については、速やかに対応する。
- 他診療科、他病院からの診療依頼に対しては、速やかに対応する。
4.非自発的、または行動制限を伴う治療行為について
- 医療保護入院、応急入院、措置入院、隔離、身体抑制、行動制限、その他の非自発的または行動制限を伴う治療行為については、病状または状態像に応じて合理的と認められる必要最小限の範囲内にとどめるよう努める。やむを得ずこれをおこなうときには、患者にその必要性についてできる限り説明した上でおこなう。
5.個人情報、インフォームドコンセントについて
- 診療内容は個人情報であり、取り扱いには十分注意する。
- 病状、診療内容について患者・家族から説明を求められたとき、あるいは診療をおこなううえで必要があるときは説明をおこなう。
救急対応
精神科の救急対応については、医師数の減少に伴い、いつでも必要に応じて対応できるというわけにはいかない状況です。そこでやむを得ず、対応の原則を以下のように定めています。
- 当院と北リアス病院による当番制
- 月曜日は、基本的に当院は非当番日。このほか月曜日以外でも北リアス病院が当番病院となる日は、当院は非当番日。
- 非当番日の対応
夜間の救急はお断りさせていただきます。
翌日受診してもらうか、岩手県精神科救急情報センターの電話番号019-624-6791受付時間 24時間 (土日・祝日を含む)をお教えし、盛岡方面等の病院を受診していただきます。
- 当番日が土・日以外の休日に重なる場合
日中は救急を受け付けます。
夜間は当番日に準じることとします。
詳細、不明の点は、電話等にてお問い合わせください。
病棟
病棟は3病棟、計147床あり、その内訳は認知症治療病棟(第5病棟)40床、閉鎖病棟(第6病棟)52床、準閉鎖病棟(第7病棟)55床となっています。